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【 す:スイッチングコストのブレを減らせ 】

スイッチングコスト

私は物流改善のコンサルティングを行って

いる関係で、スイッチングコストを意識する

ことが多いです。

スイッチングコストとは

『現在使用している商品、サービスを

他の商品に乗り換える際に

負担しなければいけないコスト』

のことを指します。

コストと聞いてわかりやすいのは

『金銭的コスト』ですよね。

物流倉庫を移転する場合などでは

何百万もある商品の数を数えたり

その商品を梱包してトラックに乗せたり

それを移転先に移動して

商品を決められた棚に入れて

また、商品を数えたり・・・

それは全て費用として計上されるので

目に見える分かりやすいコストですよね。

場合によっては数億円が動くことも

ありますが、『金銭的コスト』は

よっぽど適当な試算をしない限り

大きくブレることはありません。

ただ、

それ以外にも目に見えずらいコストがあり

その代表格が

『時間的コスト』と『心理的コスト』です。

『時間的コスト』とは新規サービス導入に

必要な時間のこと。

心理的コスト』とは新しいものを導入する

ための面倒臭さを指します。

この『時間的コスト』と『心理的コスト』を

極限までに減らしたのがAmazonのような

宅配サービスでして、顧客の

「最寄りの書店まで行くのが面倒くさい。

重たい商品を運ぶ面倒くさい。

レジで並ぶのが面倒くさい。」を

なくすことに成功し飛躍しました。

ちなみに、以前『Amazon Prime』の

設計の一部を担当したことがありましたが

裏っかわの物流側では

1秒を争う過酷な環境下で

時間を節約しております。

それを知っていると

商品配達時に不在でいると

本当に申し訳ない気持ちになります。

身近な事例だと

番号ポータビリティー』もそうですね。

携帯番号を変えずに事業者を変更すること

ができる仕組みですが

導入する前は、登録者への番号変更通知が

面倒くさいため、事業者間の移行が

なかなかなされませんでしたが

導入後は比較的容易に

DOCOMOからソフトバンクへみたいな移行が

しやすくなったかと思います。

話を戻して、

新しいサービスや商品を提供する場合に

この『時間的コスト』と『心理的コスト』を

知っておくと、顧客が金銭以外に何をもって

判断して商品購入に踏み込むのかを

想像することができるので

良いのではと思います。

人は不合理、非効率と思っていても

長年それを行っていると

そのやり方が一番

楽な方法と感じてしまい

習慣化してしまいます。

その結果、頭では合理的、効率的とわかって

いることでも、面倒くささから新しいことに

挑戦することを躊躇ってしまう傾向が

ございます。

特に『心理的コスト』がやっかいで

作業の習熟度や生産性に影響し

大きくブレてしまうことがあり

結果として、金銭的コストに

大きく影響を与えてしまうことが

あります。

もし、相手や自分の行動変容を促したいので

あれば、ゴールだけではなく

スタートの心理的コストを最小にするため

にはどのような手順を踏むといいかを

検討してみるといいかもしれませんね。